パソコンで眼が疲れる理由とその対策

根本的にはパソコンは疲れることを眼にさせますから
一日中パソコンしても疲れない方法はありません

一日中歩いても脚がだるくならない方法がないのとおなじですね(^_^;)

また眼の緊張をほぐす薬や神経の栄養剤の様な
点眼治療もありますがこれにも限界があります

さて 疲れの原因を分析し 少しでも楽に出来る事を考えてみましょう。

1.一定の距離を見続けるためピントを合わせる筋肉が緊張状態で固まってしまう

人の筋肉はじっとしてるよりゆっくり動いてる方が疲れにくいのです

じっと立ってるより運動量としては多いのにゆっくり歩いてる方が楽ですね。

眼も同じです。ピントを合わせる筋肉が同じ状態で止まってると疲れます

対策は 毛様筋のストレッチです

パソコン作業中に時々遠くや近くを見ます

道具は不要で自分の指先を使うと良いでしょう

やり方:自分の指の指紋をしっかり見てこれ以上近づけたら

ピンボケになると言うところまで頑張って見たり、指をだんだん顔から離し

もし外が見えるなら窓の外、無理ならなるべく遠くの壁などに

視線をゆっくり持っていく:ゆっくりがコツです。2,3回それをするだけで

毛様筋を最大収縮から緊張無しの状態への往復になります。


2.モニタとの距離が近いためかなり頑張ってピントを合わせる筋肉が使われてる

1.との関連事項です。

モニタとの距離がけっこう近い状態で、ピントを合わせる様に

眼の筋肉に力をたくさん入れての固定状態ですからより疲れます。

やや遠い目での毛様筋の固定の方が疲れにくいです。

3.見つめるので、まばたきが少なくなり眼が乾燥しやすくなる

意識してまばたきを多めにする事や、乾燥を防ぐ点眼薬も効果があります

良くあるパソコンデスクではモニタが正面にあって眼を大きく

開いて見ることになりさらに乾燥がひどくなります

2.3.を少しでもましにする工夫が机で出来ます。下記をご覧下さい

4.モニタとその周辺の明るさに大きな差がある

明るさがちがう場合は視線移動毎に瞳孔のサイズが大きくなったり

小さくなったりをくり返しますのでそれで疲れる事もあります。

瞳の大きさを変える筋肉はじっとしてる方が疲れない特性があります。

これに関しては照明の工夫が大事です。

2003.04.15 追記
院長へのMAILで会社のパソコンデスクなので自分では変更出来ないのですが
何とか机を変えないで疲れにくい様にする方法はないのかというのが来ました(^_^;)
会社のパソコン机を勝手に替えることが出来ない方でも
工夫によりすこしでも理想に近づけることは出来ます。

患者さんに診察中に良く言ってる言葉を追記します

モニタの脚の前側にちょっと分厚いめの本をはさむとかして
少しでもモニタを斜めにするとか机を低く出来ないのならイスを高く、
それも無理なら座布団でも敷いてなるべくモニタを見下ろすようにしましょう
なんて言ってます。少しでも工夫してみなさん楽になって下さいね。

疲れにくいパソコン用の机の話

2005年7月 追記

この話はモニターがまだCRTが主だった時代の話です。最近ではデスクトップPCも
ほとんどが液晶モニターになりましたね。しかし以下の話はふるくはなっていません。

モニターが液晶でも斜めにしてなるべく見下ろすようにして目線の状態が同じように
する事は今でも同じです。ですからこの様な机を使っていない方でも液晶モニタを
工夫してあるいはノートPCの方もなるべく斜めに大きく画面を倒して見ると良いという
話に読み替えてくださいね。


以下表題の机の話です。
正面設置のモニタを見ているとき 斜め向きで下方のモニタの時
目を見開いた時は、視線を下向きにした時に比べて
涙の蒸発量が増えるから、眼が乾きやすくなります
また長い距離をまぶたが動かないと充分に瞬きしたことに
ならず、どうしてもまばたきが不充分な状態になってしまいます。

良くあるデスク

30度斜めにするデスク

60度斜めにするデスク

モニタが近いので毛様筋に
緊張を強いることになり
疲れやすくなります。
モニタの傾きが少ないですが
少し距離も離れるし真正面に
モニタがあるよりは疲れにくい。
モニタとの距離が60cm以上になり
最も疲れにくい状態になる。
まぶたが大きく開いた状態なので涙の蒸発が多く眼が乾きやすい。
(眼球露出面積:大)
まぶたを少し閉じた状態なので
眼の乾きはましになる。
(眼球露出面積:中)
まぶたの開きが小さくなるので
眼が乾きにくい。

(眼球露出面積:小)

30度傾けるデスクは、地元の電気店でも探せば販売されています。
60度の傾きにするデスクは、エルゴデスクと言う商品があります。
発売元の(株)日本クリエイタのホームページはこちらです。

(上記に使用中の写真や図の使用許可はMAILでいただきました)

そのMAILには、17年前、パソコンを使い始めたとき、「眼が痛い、疲れる。」という
女子社員の訴えを契機に開発し、社員のために作ったデスクであります。
使用の結果、効果に確信を得て、。。。と言う記載がありました。

社員のための創意工夫からできた商品のようですね(^^)
そう言うことはホームーページには書いて欲しい気がします。
なかなかすてきな社長さんからのお便りであったことを書き添えます

パソコン用の机として理想的であると思えます。
長時間のパソコン作業をされる方には普通に売ってる机より
価格は高いめですがその価値はあると思います。

念のため:私はこの会社とは何ら利害関係、金銭の授受はありません。

この机は私が使ってみて良いと感じ、これで眼精疲労の方が少なくなるなら

紹介することは眼科医の仕事であろうと思いこの文を書いています。

私が以前使用していたパソコンデスクの状態はこちらからごらん下さい

今は医院ではまだCRTですが自宅の分は液晶になって机も変わっています

2003.03.01 記 3.16改訂 4.6追記 4.15再追記  2005.07.29 改訂追記