震災の死亡者数には入らなかった人のことを思う
昨日は阪神淡路大震災からまる9年の日でした
各地で震災の死亡者6433人の犠牲者を追悼する行事が。。。と新聞にも書かれています
しかしその数字に入らない方も間接的には震災の犠牲者だって思う方もあるのです
父の代から世話になっていた保険会社の代理店経営の方で、私はTELでしか
話したこと無かった方もその一人です。その方は感じの良い方だって思っていましたが
震災後半年ほどで無くなったと奥様からお手紙が届きました。保険契約は今後
別の代理店が引き継ぎますという文章のあとに書いてあった理由が悲しかったです。
聞くと、震災後に損害保険会社の関係で加入者だった被災者の生活再建などの
お手伝いをするため現場に再々行き、そこで多くのほこりを吸い込んでしまってなんと
けい肺になってしまったとのこと。その方が熱心な方だったので無理をしても現場に
行くことが多かった結果だと。それがもとで呼吸不全になってしまい亡くなったとのことでした。
良い方だったために頑張って結果として死期を早めてしまったのです。
きっと震災のあとの心労等で亡くなった方も少なくないって思います。
私の父も震災の時には神戸に住んでいましたが、震災のために疲れていてしんどいのか
身体が病気だったからしんどいのかが解らず病気の発見が遅れました。
神戸の病院も混雑がひどく家の周辺等の片付け等で疲れていたがまあ忙しかったし
しばらくして落ち着いたら診察に行こうなんて思ってしまったようです。
そして震災の年の7月に亡くなりました。
なかなか何時までたっても、もうちょっと早く医療機関にかかっていたらと
自分が医師なだけによけいに考えます。精一杯の早期検査、治療が出来てたら
もう少し長生きしてくれなかったかなぁと今でも時々思います。
もちろん検査を早くしていても結果は同じだったかもと言う医学的判断もあるのですが。
震災からもう9年。
どうぞこの様な事がもう無いようにと思います。。。。
今は平和に暮らさせてもらってる自分、地域医療に頑張ることは当然なんだって思います。
2003.01.18 記