診察中にJR福知山線の脱線事故からふと連想したこと
安全よりも速度の優先がJR福知山線の脱線事故の原因との報道がされていますね。
医師がミスをしても同時に100人以上もの方が死亡することは考えられませんので
(薬害エイズ事件の被告のような場合はそれもあるかもですが)以前から医師は人の命を
あずかる仕事だとよく言われましたが、実感としては交通機関の方がよりそうなのじゃないかと。
さて、診察を待つ時間が長いと苦情を言う方が少なくないのですが日本の医療はまだ
当日にはいくら待っても診察を受けられるから良い方だなんて知ってましたか?
海外では普通に診察を希望しても待機が多くてなかなか見てもらえないとか、癌が発見されても
手術まで半年以上の順番待ちなんて言われてしまい、どうしても早くして欲しい患者さんは
健康保険のきかない、高額な医療費を支払う必要のある医療機関に行くしかないなんて
そんな国もたくさんあるのですよ。イギリスなんかでは医療費抑制策をしすぎたと反省し
今では医療費を増やして待機患者さんを無くすなんて政策までされています。
さてここからが本題に関連することです。医療も交通機関も速く速くと思ってしたら当然
安全性は低下します。しかし待ち時間が長いとクレームを言う患者さんに、急いで診察したら
見落としが増えたりミスが増えるから、医療事故にならないように安全第一で慎重に診療中です。
ですから安全第一、診察待ち時間が長いことはご辛抱下さい・・・なんて言ったらどういう反応が
かえってくるだろうなぁ・・・あまりに忙しくて、一所懸命に診てるのに中待合い室でため息ついたり
靴を鳴らす方がいたときにふと思ったことです。
2005.05.21 記