♪ペンギン、ペンギンかわいいな・・・

神戸の友人からのmailで教えてもらいました。1960年代の懐かしいことを書いている

ホームページがこちらにあります。

その中にある懐かしい音のひとつ、サンスターのCMソングを聴きましてふと思ったこと。
        ↑クリックで音が出ます

歌詞:書かなくても聞いたら解るのですが(^^;  こうですね。

♪ 氷のお山ですまし顔、いつも気取って燕尾服。

もしもステッキ買い込んで、黒いかばんを持ったなら、

とても立派なお医者さん。ペンギン、ペンギンかわいいな・・・

これは、おそらく1960年代の後半にTVで流れていたかと思います。

この曲を聞いていた頃の私は小学生でした。その時代に父は、将来の職業は何か技術を

持ったものをしたら良い。それに人助けにもなる医師という仕事は良いのではと言っていました。


小学生だった私の中にあった医師というイメージは、ちょっと恐いけどもしも病気になったときには

たよりになる存在で、自分がその様な職業に就く事って出来るのだろうかというものでした。

小学生時代の私の家族、親せきには医師はまったくいなくて、医師という職業に対するイメージは

自分がかかったことのある数人の医師によって出来ていたと思います。


さて時代は変わって、いま多くの日本人が医師に対して持つイメージはどうでしょうか

昔ほど尊敬される職業じゃなくなっているように思います。悪徳医師とか言う報道も少なくないですね。


でぇ・・・この歌詞にあるペンギン、あるいは医師のイメージは?と言う話につながります。


昔の、悪くいえばえらそうな、良く言えば尊敬されるというイメージの医師は、いまとなっては

ある意味では良き時代の話だと思います。現代は多くの人は権利意識が強くなって、待たずに

安くて良い医療が受けられることが当然の目標であって、日本の医療システムは良くないと

思ってる方も多いからずいぶん変わってきたのだと思います。実態はどうなのでしょうか。

その点はサブページ2の中の院長のスクラップブックにある日本の医療は薄利多売を見て下さい。


さて話がずれてしまいました。でもある意味で良き時代のイメージというのは・・・

当然、1960年代に比べていまの医学はずいぶん進歩しています。しかし昔の方が

医療に関する満足感が、あるいは医師に対する信頼感が多かった気がするという話です。


でもこれは、知識の少なかった一般人に対して、今よりは医学が進歩していなかったかので

わからないことが多かったはずの部分まで、わかったような顔をした医師が、まかせておきなさいと

詳しい説明も無く(良く言えば医師の良心に従って)医療をしてきた結果のように思います。

もちろんそれでも良かった治療もたくさんあったとは思いますが。


しかし、いまでは情報社会で様々な医療情報も簡単に手にはいるようになって、この様なことが

出来ない時代だし、また充分な説明とそれに基づく同意によって医療がなされるべきなのは当然です。

だからある意味で良き時代のと言う話を書きました。


私が医師になって良かったと思うことのひとつに、少なくとも自分の身内が受けようとする医療が

これで良いのかという事をしっかり判断して選択することが出来るようになったと言うことです。


さて、ペンギンの歌からずいぶん話がふくらみました。最近も忙しくてなかなか満足のいくていねいな

診療が出来ていないと感じることもある私ですが、初心に帰って:小学生の頃に思ってたイメージの

一部分:病気で困ったときには頼りになる存在であるという点はがんばって維持していこうと思いました。

その逆に、えらそう、ちょっと恐そうなんて事のない楽しい、おたがいに笑顔でコミュニケーション出来る

医師であろうと言うことも思いました。懐かしい曲を聴いてこの様なことが頭のなかを駆けめぐりましたが

文章にするには2週間以上かかってしまいました。

久しぶりの長い独り言でした。

2005.06.29 記