置き薬の処方は出来ないけれど花粉症の場合には
患者さんに良く言われる言葉に、次のようなものがあります:眼やにやかゆみは
治ったけどまた今度の時用に眼薬を今日も同じのを下さい・・・・・。
その時にお答えする話は、次回も同じ様な結膜炎とは限りませんし
その時の状況を見てお薬の種類を決めて処方していますので、次回用と
言う考えではお出しできません。あなたは風邪が治ったときには内科の先生に
次の風邪引いた時用にと、風邪薬下さいとう言うのですかとも聞き返します。
風邪だって、熱が主だったり、咳がひどかったり、のどの痛みがメインだったりと
いろいろでしょう。結膜炎だって状況によって薬を変えているのですよとも言います。
さらに、健康保険では置き薬のようにという処方は、禁止されていると言うこともお話しします。
きっとそれをいう患者さんは、そこまでは考えず置き薬のように欲しいと思ってるのでしょうね。
しかし花粉症の場合は毎年、毎年同じようになって来ますし、予防的に早めの投与で
その季節を楽に過ごせるという研究報告も少なくありません。なので毎年この季節になると
少しの方には、まだ症状無くても予防投与OKですよと言いながら処方しています。
少しの方にと言うのは・・・多くの方は花粉症になるってわかっていても症状が出ないと
受診されないからです。昨年の様にマスコミが大騒ぎした年でも来られたのは10%位です。
私は開業後5年くらいは来年は早めにねと言い続けてきました。それは患者さんのためと思って。
でも、まだ痒くないですけど早めに来ましたと言う方はほとんど増えなかったのです。
先に書いたように、TVで大騒ぎしていた昨年ですら10%位の方でした。ましてや、
それ以外の年では・・・と言う事で最近は言っても無駄だと言うことが分かったので
もう言わなくなってしまいました。
今日は、この様な話もありました。コンタクトの定期検診の方に、「さあ今年もそろそろ花粉症の
季節だから昨年の花粉症の時に良く効いたと言ってた薬を今日は早めに出しておきましょうか」って
言ったら「いま痒くないから良いです」というので・・・さらに「昨年もそう言ってまして、その5日後に
かゆみ止めを下さいって来院してますが、それでも今日は要らないんですか」とまで言いました。
そこまで言ったら、そうでしたら今日もらって帰りますと言う話に・・・。そこまで言わなかったら・・・。
そのあと何だか薬を押し売りしてるような嫌な気分になりました。余分なことを言わないでまた
痒くなってから、もう一度来てもらった方が、良いのかなあとも思いました。そしたら再診料分の
儲けも増えるし(^_^;)、そこまで余分な事を言ってあげて、気分を悪くすることもないのかなあとも。
これを読んでる方は、早めに治療して楽にその季節を過ごせるかしこい患者さんになってねぇ。
でもこんな事書いていても、今年も数%の方しか症状が出る前には来られないかと
思います。まあ、歯は痛くならないといかない、花粉症は眼がかゆくならないと行かない・・・
貴方はどうですか??
2006.02.16 記