人の不安を利用して利益を上げるのは不愉快ですね

広告を見るときに二種類あると思って見たら面白いですよ

ひとつは夢や安心あるいは楽しみを売る広告で

もう一つは不安を利用して利益を上げようとしている広告です。


SONY、Panasonic、日立、三洋などの電器メーカーの広告は。。

この機械を買ったらこんな事が楽しめますと言うのはあっても

こうしないと体に悪いなんて言ってる広告は無いですね。

あるいは地球に優しい太陽電池を家庭の屋根になんて夢がありますし

自動車メーカーの広告でも、こうして楽しもうと言うのはあってもこの車じゃないと

健康に良くないから買い換えようと言う広告はしていないですね(^^)

もちろん古い時代の安全対策の無かった時代の車と比べて、事故の時に

安全ボディやエアバッグなどの装備で人が死ぬ確率が少なくなると言う

事実に基づく広告はあって良いし、広報するべき事と思います。


その反対の代表は、健康食品の広告:

現代人は○○が足りないからこれを飲んで健康を維持しようとか

あるいは人生相談なんて怪しいチラシ、あるいは不幸があった人に

信心が足りないから悪いことがおきてると勧誘する新興宗教

高い壺を買わないと家族に不幸が起こるなんて売りつける事件がありましたね。

これらは人の不安を利用して利益を上げてると思います。


たとえば きんさん ぎんさんは、さすがに106歳で亡くなってしまいましたが

この方たちが健康に良いからと、ある健康食品を食べてたとか、ビタミン剤を

飲んでたとか言う話は聞きませんし、実際みなさんの周りで長生きしてる方の

話を聞いたら、細かいことにくよくよしないで、気持ちをゆっくりとさせて

しかし何か自分の仕事は持ち続け(田舎では畑やたんぼが気になって毎日

水加減を気にして見に行ってるなんて方が長生きしてるように思います)

適度な運動とバランスの良い食事。。と言う事はあってもこの健康食品で

健康維持し100歳を超えましたと言う様な方はいないと思います。


さて 自分の仕事にこれを当てはめたらどうなっているでしょうか

多くの患者さんから、眼に良い食べ物は何ですかと聞かれます

ブルーベリーが良いと聞きましたが。。なんて事も良く言われます

あるいは緑内障に良い食べ物は何でしょうかとか、

刺激物は悪いですかなんて事も良く質問されます

答:特に何かを食べてはダメとかは無いし、これを食べたら良いという物もありません

極端な寝不足やストレスをためる様な事は避けた方が良いですが普通に
バランスの取れた食事をして刺激物の好きな方は自分の好みで何でも
好きに食べたって良いんですね:いつもこう答えています(^^)

自動車の広告と似てる部分が、病気の説明で良くありますね。

無用な心配はしなくて良いが、中には安全のため恐い話もします。

たとえば緑内障は失明に至ることもある病気ですが多くの緑内障は

初期に発見し正しく治療したらそんなに恐れる病気ではないのです

万有製薬のページ『緑内障は恐くない』をこちらからご覧下さい

逆に気がつかずに検診しないで見えにくくなってから受診されて治療に

困る病気に糖尿病性網膜症があります。この場合は今は症状が無くても

おどしではなく医学的な事実に基づいて必ず定期検診するように伝えます。


私は普段の診療で無用な心配をしてる患者さんがいかに多いかを感じています。

無用な不安を無くしていくために正しく説明をして安心を持っていただけることも

医師としての大きな仕事であると思っています。


でも 大きな声では言えないですが(WEBに書いたらいっしょだって(^^;;;

不安を煽って、この病気はしっかり治療を続けて何回も受診しないと

おかしくなるって、何回も不要な受診をさせて、不要な治療までして

たくさん儲けてる医師が中には居ることも事実なのですね(T_T)。


私は『安心医院』を続けます。


私の考えと同じ様な眼科医、広島の平野先生が作ってるページ

「緑内障の恐怖はテレビ番組から?」はこちらからご覧下さい。

2003.03.02 記

追記:上記の平野先生のページの中のLink先
ええかげんにせい!みのもんた」と
 「ワシの言うたとおりやろ?(ええかげんにせい、みのもんたPART-2)も
なかなか面白いですから見て下さいね(^^)