地域への貢献とは何か。視点がちがった様です。
1月某日は、私の住む出石町のある地区の青壮年会の総会でした。
その時にたまたま横に座った方に言われた事がきっかけとなり
この文章を書くことになりました。
ある地域に住むからにはそれなりの近所つきあいや何かの役員を引き受けることもあって、
地域社会にも貢献するのは当然のことだと思います。
さて、今回私が言われた内容とは:今の家に住んでもう10年目になるのなら
そろそろ地区青壮年会の役員を引き受けるのも当然ではないか。
いままで順番に回ってくる役以外は、引き受けていないではないかと言う内容でした。
それに対して私は、もっと大きな単位:出石町ないし出石郡全体での社会貢献をしてるつもりで、
申し訳ないが地区青壮年会の役員は忙しすぎて引き受けかねると言いました。
それはどう言うことかと不快そうに話の相手は言うので、まず地域医療をがんばってしていることで
かなり忙しいし、いまでは出石郡以外の患者さんが30%にもなっている事を説明しました。
そしてしんどくても頑張った結果として増えた収入の50%を税金に納めていることも。
もし、あなたが仕事を余分に頼まれて頑張った。その分の収入は増えたけどそのうち半分は税金で
納めてくださいと言われたら、その分社会に貢献してるなって思いませんか。
あるいは50%も税金とは不愉快に感じませんかとも聞きました。
それに対しては、でもたくさん儲けてるから税金多くても当然のような反応をされて、
それは関係ない様に言われました。
そこで、あまり言いたくはなかったのですが学校医の話をしました。
私は出石町にある全ての学校の眼科校医を引き受けています。
出石郡には眼科医は私しかいませんから、
しんどい仕事ですが私のできる地域への貢献として引き受けています。
さらに言うと但東町の校医も引き受けています。これらは出石郡という単位で見ての地域貢献と
思っていますがそう言うことは評価していただけなくて、もっと狭い地域での青壮年会の
役員をしないと言う事を非難されますかと聞きました。
出石郡の医師の中で全ての学校の校医を引き受けてる方は他にはありません。
この役は私にしかできないことなのでかなりしんどいですが引き受けているのです。
全ての学校に検診に行くのはかなりの仕事量で昼休み等を削って自由時間をけずって
頑張っています。これは充分に地域に貢献することになってると思います。
そこまで言ったら初めてその方はそれは知らなかった、ごめんなさいと言いました。
そんな事まで言いたくなかったのですが言わないと解らなかったようです
もっと大きな単位で頑張ってるつもりだから青壮年会の役は勘弁して欲しいと言うことがやっと
解ったようでした。でもこの話は言いながら不愉快でした。
別に今後も絶対地域の役員は引き受けないって思ってるわけではありません。
しかし自分の身体がおかしくなるほど仕事があって、実際にストレスから来るとされてる
中心性網膜炎に1998年になり、突発性難聴には2000年になり、さらに2001年には
高血圧にもなってしまいました。今はそれらを内服で何とか治療している状態です。
血圧が上がってしまい頭痛が続く様になってからはこのまでは早く死ぬと思いました。
そして何か仕事を減らさないといけないと考えて2002年2月までで
白内障手術を残念ながらやめました。
今も医院を手伝ってくれる眼科医を募集していますが今のところ来てくれそうな方はございません。
もしその様な方が見つかって時間に余裕ができたらその場合にはもちろん考えます。
また今は医師会の会計理事も引き受けています。この役が終わったら少しは楽になると思います。
余談ですが、いま中3の次男が5年生だった時に弘道小学校のPTA役員になり
学年委員長を引き受けた事がありました。その年はしんどくて土日にある学会に
あまり参加できなくなり眼科専門医の更新に必要な単位:5年で100単位以上ですから
1年あたり平均20単位以上取らないといけないのが8単位しか取れませんでした。
そしてその足りなかった分の単位を他の年にがんばって学会に行きなんとかしました。
学会にがんばって行って最新の医療知識を勉強してきて、日々の診療レベルの向上に
努める事が結果として地域への貢献になると思います。でも自分が見える狭い範囲の事しか
考えていない方ならPTA役員として活動してる事しか評価してくれないのだろうなぁとふと思いました。
さて、ちょっと視点を変えてみたら。。。もっと大きな単位で貢献してる医師もいると思います。
たとえば種痘を発見して天然痘を根絶させたジェンナー:何人の命を救ったかわかりません。
CTスキャンを開発した物理学者は多くの患者さんの診療を通して貢献したから医師じゃないですが
ノーベル医学賞を受賞しています。でもこのような方は有名ですがそうじゃなくても医学研究を通じて
多くの患者さんのためになってる方は、その多くが患者さんから直接お礼の言葉を
言われることもないのにがんばってると思います。
当院のHPをよく見て下さってる方はおおよそ私の活動や人となりが分かってくれてると思います。
しかし近くに住んでる方でも私がどの様なことをやっているのか知らない方が少なくないのじゃないかと
思うようになりました。声を大にして自分はこんなに頑張ってるんだと言うことは
上品ではないと思っていましたが、やはり言わないとわからない方も多いのかなぁって(;¬_¬)
2004.01.31 記