臨床医に求められる資質(あるblogより)

最近見たblogより引用です。前から、臨床医には大事なことだと感じてたことを
わかりやすく書いてあって、楽しく読めると思う文章がありましたので紹介します。

blogの紹介が主目的ではありませんのでまず、私が良いなって思った、医師のコメントを先に載せます。

黒い文字がその引用コピーです。そのコメントの下に元になった記事を載せておきます。
blogは日がたてばその記事を見つけにくくなるかもと思えますので。

ロビーニョ先生の救急教室
大変な目に会われましたね。光景が目に浮かぶようです。はい、医者の常識は、患者さまの非常識、
ということが大変多い昨今です。トラブルはほとんどそこから起きております。

救急外来へやってくる患者さんに、まず最初にしてあげなければいけないことは、エメラルドちゃまが
おっしゃられている通り!私大丈夫でつか?という不安に答えてあげること。これ以外にありません。

このジョイさんは、あら過呼吸ね、どうせ大丈夫なのに何騒いでるのよ!ぐらいの、さめた感想とともに
エメラルドちゃまの診察にあたったことが想像されます。そういう冷たい感想ほど、簡単に患者さまに
伝わることを、ジョイ様にはぜひ覚えていていただきたいと思います。

ロビーニョ先生もその昔、救急医療を担当したころはこういう患者さんに多数遭遇しました。
(本当にたくさんいらっしゃるのです。20や30ではありません。年間50人くらいいらっしゃいます。)
救急だけに限れば・・ですが、対応は実はすごく簡単で、ペーパーバッグという紙袋を口にかぶせてあげて、
セルシン(あるいはホリゾン)なんていう鎮静剤を、一発筋肉注射してやれば、時間の長短はありますが、
だんだん落ち着いて直ってゆくことがほとんどです。だから、医者からみるとよくある病気、それでちょっと
冷たい対応・・・となってしまったのでしょうか?

しかし、ある日、めちゃくちゃ忙しい年末の土曜日の救急外来。研修医と一緒に当直業務にあたっていた
ロビーニョ先生は、心筋梗塞や交通事故(二次救急は外科も内科もなんでもあり、外科医が到着するまで
内科医が修羅場をくぐることも多々あります)という、研修医にまかせられない患者様を担当したので、
研修医ちゃんに過呼吸の患者さんを任せました。ちょうど二年目を迎えた研修医ちゃまは、自分で一通りの
ことができるようになった時期であったことも手伝い、ちょっとぶいぶい言わしておりました。

過呼吸を自分にやらせて、重症の人を担当させてくれなかった・・・という不満もあったのかもしれませんが、
とっとと過呼吸の患者さんを片付けて(そう、彼の意識の中ではこの片付けて・・・という言葉がぴったり
だったかもしれません)早くICUのほうへ行きたい、と思った気持ちも手伝って、ろくな説明もせずに
紙袋を患者様の顔にかぶせて、物も言わずにセルシンを一発うって、看護師に「あと、みといて」と言って
ICUに向かいました。

数時間後患者様は確かによくなりました。しかし、回診に行ったロビーニョ先生に彼女は
「先生、私、物じゃないんです!」と、言いました。何があったかを十分聞いて、私は研修医ちゃまを連れて、
彼女のベッドサイドに謝りに行きました。なかなか許してはくれませんでしたが、謝りに行ったことは患者さまに
とっても、研修医にとっても、のちのちのためにもよかったことと思っています。

これは実は救急の現場では、とてもよくある話です。でも、とても人の心を傷つける話でもあります。
さて、どうしたものか?

こういうこと(人の気持ちを考えろ!ということ)は、わかる人には言わなくてもわかるし、
わからない人には、どのように教育してもわかってもらえないことが多かったです。それは医者にも
看護師にも放射線技師にも一定の割合で存在します。驚くべきことですが、人の気持ちを考えるという
作業そのものをしたことがない人が、本当にたくさんいるのです!

できれば、職業につく前に、自分はどういう人間なのかよく見つめてからなって欲しいと思います。
医者は権限が大きい分、特に影響が大きいので、人のために働きたくない人はできるだけならないで
いただきたい・・・と思っています。(あるいは患者さまの前に姿を現さずに、研究室でねずみを相手に
一生を送っていただくとか)

しまらない結論で申し訳ありません。
2007-01-24 Wed 16:57 ロビーニョ

以上コメント終わり

日々臨床をしていく医師には、このコメントにある話は大事な事だと思います。
また書かれてるとおり、この資質は各人の個性に大きく左右されると思えます。

そして、この様なことは医学部で教育されることはないです。だから良い臨床医を
育てるために、医師免許を取ってからでも良いからのこの様な話を研修プログラムに
入れるのも良いのではとふと思いました。しかし研修プログラムは多く、さらにこの様な
ことまで入れるのは、無理という意見も出そうですが。

もし・・・研修プログラムに入れても個人の資質はなかなか変わらないでしょうから、
あかん人はあかんし・・・でも教育しないよりは良いんじゃないかなぁなんて。

以上思うことを書きました。

なおblogの作者ならびにコメントされた医師に了解を得てコピー掲載しています。

2007.1.25 記

文章も画もあまりにすばらしいので、そのままコピーしちゃいました。

以下、コメントの元になったblogのコピーです。

初めての救急病院で大騒ぎし、医者に怒られ逆ぎれ寸前@漫画で解る〔パニック障害〕
2007-01-24 Wed 01:48
で解るパニック障害シリーズでございます。

前回から、ちょっと空きましたが、今回は、前回の続き、
「初めて運ばれた救急病院で大騒ぎし、医者に怒られ逆ぎれ寸前」
を描きます♪

前回のお話しは、こちらから→
今日は、前回の続きで、救急車が到着してからのお話しです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
マンションのエレベーターは、担架がぎりぎり入る奥行きでした。
(後で知ったのですが、エレベーターの壁が保護シートで
全面カバーされていたので気が付きませんでしたが、
突き当たり奥の下側に扉があり、それを開ければ、
担架がすっぽり入る仕組みになっていました

扉には鍵が掛かっていますが、それは全国共通の鍵で、
救急隊員の人はその鍵を持っているそうです。
覚えておきたい知識ですね♪ )

エレベーターに乗っている時間がいつもより数倍遅く感じました。

救急車に乗せられると、救急隊員の方は、病院に連絡を入れている
ようでした。すぐには走り出しませんでした。

この時、指先にクリップみたいなのを付けられ、
(あれは、酸素がちゃんと体に取り込まれているか、が解る
機械みたいです。
あと、脈拍も解るようです・・で、合ってますか?(笑))

その表示されたデーターを見てすぐに、救急隊員の方は、
過呼吸」と解っていたんだと思います。
「これ、何の病気ですか?」と聞いたけど、
「まあ、大丈夫やと思うで」とだけ答えてくれました。
救急隊員は、経験から解っていても、病名などは
言ってはいけないのだな〜と、後で思いました。

でも、そんな事も知らない私は、とにかく「こんなに苦しいのは
生まれて初めてだし、体が変!死ぬんだわ!」

本気で思ったので、救急車の中でも大騒ぎ
救急車の中で大騒ぎ1

救急隊員のおじさん、手をずっと握っていてくれてありがとう。
お父さんくらいの年齢の方の手を、こんなに長く握っていたのは
初めてです(笑)
でも、すごく安心感がありました!!

(よく、側に居る人がパニック発作・過呼吸発作を起こしたら、
どうしたらいいか?という質問がありますが、その人にも寄るでしょう
けど、とりあえず、普通に側に居る、手を握ってあげる ・・が
良いのでは、と私は思います)

そして、何分経ったか記憶にないのですが・・
気が付けば、救急病院の診察室のベッドの上でした。

目に入ったのは、救急隊員の方が女医さんに、何やら説明を
している様子・・。

そして、女医さんは・・
救急車の中で大騒ぎ4

この時、私が知りたかったのは、
「この症状は何故起こったのか。この症状は何なのか?」という事と、
「この苦しさは、いつまで続くのか、それとも死ぬの?」という事
の二つでした。
もう、「死」しか頭になく、その明確な答えが欲しかったのです。

暫く経っても、過呼吸発作は治まらず、さらに大騒ぎする私に・・
救急車の中で大騒ぎ2

静かにして、と言われても、苦しくてどうしてもそう出来ないから
イイ大人が騒いでるんですけど
ーー?
普段は物静かなんですけどーー!って、解る訳ないけど。

そして、女医さんから出た言葉は、
注射して落ち着きましょうね」みたいな言葉でした。

本能的に拒絶してしまいました。
死んでも(苦笑)こんな人に注射されたくない」と思ったのです。
それに、ひょっとしたら、あの後ろでオドオドしているドクターが
注射するかも知れません。絶対、嫌〜〜と思いました(苦笑)

その後、廊下に沢山の救急外来の患者さんがお待ちだったようで、
私は空いている病室に移されました。

その間も、
救急車の中で大騒ぎ3

看護師さんが、時々様子を見に来てくれました。

一時間ほどすると、なんとか歩けるようになったので、清算して
タクシーで帰宅することにしました。
清算するまで病院名も場所も不明で、
ここはどこ?」って感じでした。

この時、清算窓口で言われたのは、
「今、正確な計算できないので、とりあえず3000円お願いします。
足りない場合は、請求します」

翌日、電話して確認すると、足りないのは「30円」程でした。

タクシーで約3500円掛かった距離の病院・・。
行くには、電車+バスしか方法はありませんが、もの凄く
時間がかかります。
振込みしよう、と思っていたら、その近くに住む
友人が、30円支払いに行ってくれました。
ありがとう☆

ちなみに、今通っている総合病院は、市が違うので、この時は
連れて行ってくれなかったのでしょう。
今の病院・・チャリで10分なんですけど。たまに歩いて
行ってますけど・・。もちろん夜間救急ありますけど・・。
なんとかならないのでしょうか。市が違うと行政も違うっていうの・・。

帰りのタクシーの中でも、ぐったりしていましたが、
帰宅後は、落ち着きを取り戻し、この後、普通にシャワーを
浴びて爆睡でした☆

ところが、翌日、朝目覚めてすぐに、また発作が・・!
次回は、
「歩いて5分の内科へ行こうとして、途中で座り込み、
通りがかりの車に助けて戴いた・・巻」

を予定しております☆

漫画で解る〔パニック障害〕シリーズは、まだまだ続きます。
解って欲しい人に、もっと解り易く説明したい、
という思いから、漫画入りで、このシリーズを書いています。