兵庫県立病院の医師は厚遇?
先日見たあるNEWSの内容にあきれました。
公立病院の医師の給与は、多いとは思えません。特に頑張ってる先生の場合には。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060323-00000105-yom-soci
そのNEWSは上記です。何日かすると見えなくなるので以下に内容をコピーしておきます。
社会ニュース - 3月23日(木)13時16分 |
廃止のはずの医師手当、別名目で復活…兵庫 兵庫県が行財政改革の一環として県立病院などの医師に対する特殊勤務手当を 4月から廃止すると発表しながら、同額を別の手当で上乗せする方針を決めていた ことが23日、わかった。 医師は給与が一般職員より最高約30万円高く、外部監査で「さらに特勤手当を 支給するのは合理性を欠く」と指摘されており、形を変えた「厚遇」に、県議らから 「名目を変えただけ。だまし討ちだ」と批判が出ている。 県はこれまで、病院や福祉事務所などで採用している医師約500人に、 月額3万7300円〜5万4800円を特勤手当として支給。2004年度の 支給総額は約2億8500万円に上る。 今年度、県は「県民の理解が得られない」と医師手当の廃止を決め、条例 改正案を開会中の定例県議会に提案した。一方で「医師の確保に必要」と、本来は 新たに専門職に採用した人に支給される「初任給調整手当」に同額分を上乗せする 条例改正案も提案していた。 県人事課は「民間病院との給与格差を埋めるために必要な対応」としている。 (読売新聞) - 3月23日13時16分更新 |
私も以前、県立病院に勤務したことがあるのですが、仕事はきついし、あの仕事の内容と比べて
給与が多いとは、どう考えても思えません。時間外手当はまともに出ないし・・・このNEWSの最後にも
「民間病院との給与格差を埋めるために必要な対応」と書いていますが当然だと思います。
さて、公立病院の医師の給与システムはたいへん問題点が多いことをご存じでしょうか?
医師の給与は仕事をどれだけ頑張ってしたかに関係なく、医師免許を取得してから何年かで
給与は決まります。そして免許取得後8から10年程度の時に医長になります。肩書きはいやでも
勝手に付きます。そして、あなたは管理職なので部下がいなくても医長で、時間外手当は
無くなり管理職手当に含まれていますと言う話になります。実際、豊岡病院で医長になった途端その
月から給与が減って(時間外手当が無くなるので)おどろいた先生が、医長を辞めたいと言ったところ
決まりで卒業後の年数でそうなるので辞められませんと言われた話もあります。
でも、昨年見た新聞の記事から、もしかしたら労働基準監督署に訴えたら仕事をした分の
給与はもらえたかもしれないと思いました。以下にその記事のコピーを載せます。
記事の通り2年で時効なので、私は仕事した分だけは給与をと言っても・・・仕方がないですねぇ。
でも、現在も勤務医の先生には、参考になるかも知れませんね。
さて、がんばって仕事をした公立病院の医師はどうなるか考えてみてください?
患者さんに優しく、ていねいな診察をして、評判が上がったら・・・多くの患者さんが
その先生にかかりたいと来院されて・・・ますます忙しくなって、でも良い先生なので
しんどくても良心に従って良い診療を続けて・・・もっと忙しくなって・・・給与は同じです。
だからある先生は燃え尽きてしまうし、別の先生はアホくさくなって民間病院に行ったり
(仕事の出来る先生は民間病院なら当然優遇)、あるいは開業しようと思う場合もあります。
でも、開業医は忙しかったら、その分収入は増えて、でも、たいへん税金が多くなります。
数年前までは頑張って収入が増えたらその65%が、今でも50%が税金になります。
多くの方が医師はたくさん儲かって良いと思っているようですが、もう仕事は充分にたくさんして
疲れてる人に、もっと仕事してください、その分収入増やしましょう、しかし増えた半分は税金です
そう言ったら、喜んで仕事を増やすでしょうかと考えてください。私で言えば1日に70人位が良いです
収入だけで言えば1年に1ヶ月くらい休んでも手取はあまり変わりません。でも地域医療ですから
そんなバカな事はもちろん出来ません。今の診療時間を保つため独り言No.243に書いたように
学校医を辞めたり、白内障手術を辞めたりで何とか自分の身体が壊れないようにしてるつもりです。
さて先に書いたのとは逆に、公立病院の医師が患者さんには、優しくない態度で診療し、
評判が悪くなって、患者さんも少なくて・・・暇にしていても、・・・給与は同じです。
以前勤務していた**病院でも、患者さんに関わる仕事をさせたら医療ミスが再々発生して
医師の給与をもらいながら、医師免許の不要な仕事しかしてない状況の方も居ました。
こういう人の給与を下げることも出来ないと言う決まりが変だと思いますねぇ。
以下はこのNEWSに対して某医師専用掲示板にありました書き込みからのコピーです(一部改変)。
確かにそうだと思いますが、医師でない方はどう思われますか?
大阪府立のとある病院で関西医大での研修医死亡事件を契機に 時間外を正確に記入させました。 するとレジデントの給与が2000万円を超えてしまい、上司の給与を上回ってしまいました。 一律の給与の上乗せより時間外手当など 労働に対する正当な対価を支払ってもらう方がいいんじゃないの? 解説:まともに時間外手当を出したら「管理職」の医長よりも多くなったのでしょうね:システムが変ですね |
当直明けの日は、完全に休み.(看護師、放射線技師、事務などは、当直明けは完全に休み.) 年休は、完全に消化する.夏休みも連続休暇とする. リフレッシュ休暇も、完全に消化する. など、他業種は、遠慮なく休みをもらっています. 給与を下げるなら、待遇も同じにしないとね. それでなくても、医師の給与は、どんどん下がっています.(当方、公立です.) 解説:医師は当直しても次の日も普通に夕方まで勤務している病院が多いです。他の職種の方たちは 翌日はお休みになっているのに医師の労働条件はきついのですよ。 |
議論の偽装? 「医師は給与が一般職員より最高約30万円高く、さらに特勤手当を支給するのは合理性を欠く」 → 「県立病院の医師は給与が民間病院の医師の最高約30万円低く、さらに特勤手当を支給しないのは合理性を欠く」 「形を変えた「厚遇」に、県議らから「名目を変えただけ。だまし討ちだ」と批判が出ている。」 → 「民間との給与格差を無視した「冷遇」に、医師らから「比較する対象が不適当なだけ。だまし討ちだ」と批判が出ている。」 |
県病院の医師の待遇 県立病院赴任一年目の医長です。 私の給料はとても医者の給料とはいえませんし、勉強できる環境もみすぼらしく、事務方が 万事に渡って医者の足をひっぱって(例えば私がとってきた治験費の使用にあたっては 、 事務員はすべての書類を私に作らせて、それに口を挟む、これは17年度の治験費であるから 17,18年度あわせての雑誌の購入には支払えない、など)やる気をなくさせます。 来年度にやめることにしましたが、その理由は、「医者の待遇が悪すぎるから」と、 医局会で冷静に述べるつもりです。 そういう個別の行動で示さないと、県立病院の医師のの待遇は変わらないと思います。 |